古川巧 art diary

よい作品とは、何度見ても飽きないもの!

ステラークのこと JAPAN’3(じゃぱん’3) 平塚

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ステラークは、神田の真木画廊で会ったことがありました。1980年代です。
話しをしていくうち、一緒に展覧会でもやろうか!ということになり第2回目のジャパン3に、参加しました。
その時やったパフォーマンスはロボット技術を使って、自分の手以外の筋肉信号で操作する「第三の手」THIRD HANDというパフォーマンスでした。我々は二本の手を持っていますが、三本目の手を身につけてそれを操作できたら、これまで以上のことができるでしょう。この作品は日本で開発されたものだそうです。1970年の大阪万博で日本の技術力、特に日本ロボット技術に注目し、日本に滞在して制作しました。

その、パフォーマンスはまだ美術館なんてなかった時代、平塚の中央公民館で行われました。


真木画廊主の山岸氏が、ステラークのことを書いているので引用させていただく。

ギリシャ生れのオーストラリア国籍、横浜住いのミスター・ステラークという変な外人、れっきとした国際的美術家、先月デンマークの首都、コペンハーゲンの招きで、その地の、国立美術館の前で、大分、大がかりなイヴェントをやったね、60メートルの高さのクレーンから、背中の皮膚に通した十数本のまぐろ用釣針で自分の体を吊り、おもむろに落下した。こころは、字宙時代、無重力空間に於て、人間の心身が受ける総合的な影響及び、その積極的な適応性の試みとでもいいますか、なにしろまだ誰も、やったことのないことだから、説明するとなると、舌がまわらなくなることが多いです。もっとも、簡単に説明つくことなら、余り面白くないからね。

そのステラーク氏のみやげ話。

コペンハーゲンの美術館の前庭では、フランスの作家が、自動車をハンマーで、やっためたらに叩きこわして、その破片を方々へ投げ飛ぱしていた。それが彼の芸術。ないしは芸術的行為とのこと。イタリーの作家の話も、イギリスの作家の話も、続くけどきりがないからよします。ともかくそれとくらべると、日本の現代美術は、なんと、つつましく、やさしく、面白くない、というのです。

いやね、ステラーク氏の指摘をまつまでもなく、最近は、私も、そんな思いをしている毎日です。文化、文化っていうけど、お体裁よく、つじつまあわせしているのだけが文化じゃないと思うんだげどね。ヴァイタリティも、エネルギーもなくした文化なんて、信じられないからね。

面白くない!というのは見る側に、インパクトないということ!僕も肝に銘じたい!

現代美術・澪つくし -ステラークについて-
CHRIS003(1985年8月発売)、より抜粋引用。

***記録していないと、消えてしまう思いで。アートだけでもたくさんありますね?